建築家との家づくりにかかる予算シミュレーション
建築家との家づくりにかかわらず、家を建てるには大きなおカネが必要です。おそらく、人生で一番高い買い物になるはずです。スムーズに資金調達ができるようシミュレーションを参考にしてください。
*支払い時期や割合などはあくまで一般的な目安とお考えください。
住宅資金が全部で3000万円とすると、配分はどうなる?
※あくまでも大まかな目安です。土地は別とし、消費税は各項目に含めて考えています。
本体工事費とは?
仮設工事、基礎工事、木工事、建具工事、内外装工事、給排水工事、電気工事など、家を形づくる基本的な工事の費用のこと。
住宅建築の全費用の約70〜75%ぐらいかかるといわれています。
別途工事費とは?
外構・植栽工事(庭、門扉、塀、駐車場、植え込み等)、照明器具工事(趣味性の高いもの)、カーテン工事、屋外電気工事など。前の建物の解体費、敷地測量費、地盤調査・改良費などが加わる場合もあります。建築家によって何を別途工事とするかは異なります。
本体工事費と別途工事費を合わせて、建築工事費と考えます。
建築家に支払う設計監理料とは?
設計監理料の算定基準については国土交通省の告示があり、多くの建築家がこれを基に算定しています。ただし、事務所の規模や熟練度も反映される計算法になっているので、建築家によって異なってきます。
設計図面をつくる設計料と、工事の進行をチェックする監理料、建築確認申請の手続きを行う代行手数料などに分かれますが、すべてを依頼するほうが安心です。
設計料の目安は一般の木造住宅で建築工事費の約10〜15%ぐらいといわれており、工事費が安いと工事費のわりに設計の手間がかかるので%が高くなり、工事費が高くなると逆に%が下がる傾向があります。
諸費用とは?
建築工事費、設計料以外にかかる費用で、一般的には、建物の登記費用、融資にかかわる費用、引っ越し・仮住まい費用、固定資産税などの税金、地鎮祭・上棟式・新築祝いなどの祭事費など。家具や家電まで含めて考えるかはケースバイケースです。
そのほか、職人さんへの茶菓子や近隣へのあいさつ、追加工事のための予備費なども考えておきたいところです。
坪単価とは?
住宅建築の広告でよく聞かれる「坪単価○万円」という言葉。一般的には本体工事費だけを延床面積の坪数で割った金額が提示されていて、別途工事費や設計料、諸費用は含まれていません。それは、家具や仮住まいといった費用は建てる人や諸条件によって大きく異なるので、それを含めて計算すると比較しにくくなるからです。
また、本体工事費に何を含めるかもメーカーや工務店、設計者によって異なるので、坪単価だけを見てひと口に安い高いの判断はできません。本体工事に含まれる項目や質などの詳細を知った上で検討することが大事です。
ハウスメーカーや工務店で建てれば設計料はかからない?
建築家に頼んだ場合だけ設計料が発生するかのように思われているかもしれませんが、設計は家をつくるのに欠かせない業務なので、どこで建てても設計料としての費用は発生します。見積書に設計料の項目が明記されていなくとも、本体工事費などに設計業務の実費は加算されていると考えられます。プレハブ住宅の場合は設計が規格化されているので設計の手間は少ないですが、間取りの自由度は下がると思われます。
登記について?
建物の引き渡しを受けたら、なるべく早く不動産登記をしましょう。不動産登記法では引き渡し後1カ月以内と定められています。登記申請には専門的な法律知識が必要で、そのために申請を代理する専門家として土地家屋調査士と、司法書士の制度が設けられています。詳しくは各地域の該当する団体まで問い合わせるといいでしょう。
登記用書類のチェック
施工者(工務店)から受け取る書類
・ 確認通知書(返却してもらう)
・ 建物引き渡し証明書
・ 施工者の資格証明書および印鑑証明書
あなた(建て主)が準備する書類
・ 工事請負契約書
・ 工事代金支払い領収書
・ 火災保険証書
・ 役所の竣工検査済書
・ 住民票および印鑑
おカネを準備するスケジュールの目安
建築家探し
設計監理料10%(着手時までに)
⇩
着手
⇩
基本設計
設計監理料25%(基本設計完了までに)
⇩
実施設計
設計監理料40%(実施設計完了までに)
⇩
住宅ローンの申込
⇩
施工業者決定、建築確認申請、工事請負契約
工事費支払い、建築確認申請料など
⇩
着工・地鎮祭
工事費支払い(中間金)、地鎮祭費用
⇩
上棟式
工事費支払い(中間金)、上棟式費用
設計監理料25%(工事完了までに)
⇩
竣工
工事費支払い(残金、追加工事金)
⇩